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貧血の為に鉄剤を飲むと歯が着色する?
公開日:2017/05/30
こんにちは!
いしはた歯科クリニック院長の石幡一樹です。
本日、2歳手前の男の子がいしはた歯科クリニックを受診されました。
男の子は貧血気味で、貧血予防のために鉄剤の処方箋を飲み始めてから、前歯の表面に黒い筋が目立つようになったみたいです。
保育園の歯科健診の結果では、虫歯と診断されたそうです。
診察してみると、前歯に黒い筋のような線があり、器具で触れても硬く、虫歯の症状とは全く別物でした。
インターネットで検索してみたところ、鉄剤の影響で着色していることが分かりましたので、紹介していきます。
フェロミア(鉄剤)でなぜ歯の着色が起こるの?対処法は??
鉄剤はフェロミアと呼ばれ、服用することで歯が黒色や茶褐色に変色する可能性があります。
ただ、フェロミアだけではなく、他の鉄剤でも変色の可能性はあります。
フェロミア(クエン酸第一鉄ナトリウム)で歯が着色する理由・メカニズム
なぜ、鉄剤を服用することで、着色が目立つようになるのでしょうか?
鉄剤は、唾液の糖蛋白由来で、歯の表面の被膜とプラーク(歯垢)に鉄イオンとタンニン酸などの成分が結合することによって、黒色や茶褐色などに着色すると言われています。
歯が着色しやすい事例
・鉄剤(フェロミア)を長時間、口の中に含んだ場合
・フェロミアを服用した際に、口の中に残留している場合
・毎日の歯磨きが不十分な場合
・鉄剤を粉砕した場合
歯の着色を予防する方法
・フェロミアは水もしくは白湯で時間をかけずに服用する
・お茶や紅茶などタンニン酸を含有する茶類は避ける
・鉄剤を服用した日はしっかり歯磨きをする
歯が着色した時の対処方法
・着色が軽度であればブラッシング。歯磨き粉で着色を取り除けない場合は重曹を使う
・上記で着色を落とせない場合は、歯科医院でクリーニングを行う
今回受診された患者様は、色素を落としきれませんでしたが、虫歯ではなかったので、経過観察としました。
久喜の歯科・歯医者
いしはた歯科クリニック
院長 石幡一樹
経過観察とは
追記になりますが、経過観察という言葉ですが歯科医院で診察される意味合いと、学校などで言われる意味合いは少し違います。
歯科医院で治療や歯科検診で言われる経過観察とは、治療における掛かりつけ歯科医院として、「定期的に診ていきましょう」という意味合いが含まれています。
逆に小学校などでの歯科検診の「経過観察」は多くの児童たちの口腔内の状態をふるい分け「スクリーニング」する意味合いで使われることが多いのです。
学校での検査は、歯列・咬合・顎関節については「0:異常なし」「1:要観察」「2:要精密検査」と言った診断を出されますが大切なことは掛かりつけの歯科医院を持ち、検査内容を歯科医師と共有しておくことです。
すぐに検査が必要ではない、と思っても小児のむし歯の進行は大人のむし歯よりも進行が速いですから、定期的な検査は必ず行いましょう。
追記・加筆:2021年4月
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