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医療法人社団樹伸会 いしはた歯科クリニック

レジンアレルギー?

公開日:2015/08/11

理事長 石幡 一樹
KAZUKI.ISHIHATA

こんにちは!
いしはた歯科クリニック院長の石幡一樹です。

昨夜、8本の仮歯を入れた患者様が水を飲むと体が痒くなるといった症状がでると受診されてきました。
初の出来事でもあり、急遽、詳細を調べてみました。
すると、レジンアレルギーことが分かりましたので、今回の記事では、レジンアレルギーについて書いていきます。

●レジンアレルギーとは

レジンアレルギーとは、レジン(プラスチック)に対するアレルギーを指します。
1941年に、「MMA(メチルメタクリレート)」という物質に対して、世界で初めてレジンアレルギーの事例が報告されました。
1980年代以降になると、コンポジットレジン(レジンのつめ物)による新しい歯科材料が一般的に普及し始めました。
そして、「HEMA(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)」など、アレルギーが出やすいレジンが、歯科治療で多様されるようになり、レジンアレルギーに悩む患者様が増加していきました。
また、人工爪(アクリルネイル、ジェルネイル)にはMMA、HEMAなどが含まれるようになったことも、レジンアレルギー患者が増えた原因の1つです。
欧米諸国と比較しても、日本でのレジンアレルギーの報告は少ないです。
ですが、本人が認識できず、放置されている可能性もあるとされています。

●レジンアレルギーの症状

全身の症状は、アトピー性皮膚炎に似ており、「皮膚の湿疹」「蕁麻疹」「水ぶくれ」「かゆみ」「赤み」などの症状が顔や首、手足などに現れます。
口腔内の症状は、粘膜が「腫れる」「赤くなる」「熱を帯びる」「痛みを感じる」などの症状が現れます。
舌痛症(ぜっつうしょう)や口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)として症状が現れるケースもあります。
歯科治療をした直後に症状が現れることはなく、半日から数日後に症状が現れます。
主に固まっていないレジン(残留モノマー)と、接触することによって症状が現れます。
もしくは、仮歯の装着、新しい入れ歯の装着、コンポジットレジン(レジンのつめ物)による治療後にアレルギー反応が出ます。
レジンアレルギーの症例は、仮歯の装着後に発症するケースが多いです。
固まっていないレジン液は、蒸発しやすい性質があるため、アレルギー症状の一つとして喘息や鼻炎などの症状になる可能性もあります。

●歯科治療で使用するレジン

レジンは、さし歯や詰め物、入れ歯、仮歯、接着剤など、歯科治療の現場で多用されています。
虫歯の治療経験がある人は、ほぼレジンを使った治療経験があると言われています。

歯科医院で使用する主なレジン材料

・硬質レジン前装冠 前歯のさし歯
・硬質レジンジャケット冠 前歯、奥歯(小臼歯)のさし歯
・ハイブリッドセラミックス セラミックスにレジンを混ぜた材料、さし歯やつめ物に使用
・コンポジットレジン 部分的な前歯や奥歯に使用するプラスチックのつめ物
・プライマー、ボンディング剤 コンポジットレジン治療時に使用
・接着性レジンセメント 銀歯やさし歯を着ける接着剤
・その他 仮歯、入れ歯、レジンコア(プラスチックの土台)、矯正装置
・ポンティック(ブリッジに使用)、歯のマニキュア など

●歯科医療従事者とレジンアレルギー

歯科医師や歯科衛生士、歯科助手など、歯科医療従事者は、レジンとの接触が多いため、レジンアレルギーを発症しやすいと言われています。
レジンと接触するたびにアレルギー体質となり、指先から徐々に指、腕で広がり赤くなったり水ぶくれができたりします。
また、指の皮膚が剥がれ落ちたり、硬くなったり、亀裂が生じたりします。
レジンアレルギーによる症状は、指先から広がることが多く、レジン液が手袋を浸透していることが考えられます。
特にHEMA、TEGMA(トリエチレングリコールジメタクリレート)は、浸透が速いです。
レジン液が手袋に触れないように注意が必要となります。

 

●レジンアレルギーの検査方法

「パッチテスト」と呼ばれる、素材が体質合うかどうかの検査を行います。
原因物質の成分を特定することはまでは難しいため、歯科治療に用いた製品ごとにパッチテストを行うのが一般的です。

 

●レジンアレルギーの治療法

レジンアレルギーの原因となるレジンが口腔内にある場合は、セラミックスや金属など、アレルギー反応がでにくい材料に交換します。
ただし、以前に治療した場合は、湿疹や蕁麻疹などの症状の原因には結びつかないことが多いため、全てのレジンを取り除く必要はありません。
材料を交換しなくても、症状が解消することはあります。
口腔内の粘膜が腫れたり、赤みを帯びている場合は、軟膏を塗って症状を抑えます。
仮歯の装着後に症状が出る場合もありますが、仮歯を外すことで症状が治まります。

今回の患者様は、レジンアレルギーで間違いありません。
レジンの液体から漂う匂いに強い拒否反応をしましました。
今回の症状の原因は、レジンの残留モノマーです。
レジンは粉と液を混ぜて固めますが、一部固まらずに残留した材料が、水を飲むときに口のなかで溶け出して、かゆみを伴う症状を発症したと考えられます。

カウンセリングしていると、今回の患者様はアレルギー体質で、化学物質に過敏に反応する体質かもしれません。
仮歯に付着した残留モノマーを水で洗ってから再装着したところ、症状は治まったそうです。
仮歯を入れて、症状が悪くなった方は、是非いしはた歯科クリニックで相談してください。

久喜 歯医者 いしはた歯科クリニック 電話 0480-24-6480 Dr かずき

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