顎関節症が治らないのはなぜ?マウスピースでは治らない?
公開日:2024/07/26
- カテゴリー:
- 顎の痛み・顎関節症
「顎関節症がいつまでたっても治らない」
「顎関節症を口腔外科で治療しているけどまったく治らない」
顎関節症の症状がある方・顎関節症と診断された方のなかで、いつまでたって顎関節症が治らないことにお困りの方もいらっしゃるでしょう。
顎関節症がなかなか治らない場合には、それなりの原因が考えられます。
この記事では、顎関節症が治らない場合に考えられる原因について複数解説し、どのような対処をするべきかも紹介しています。
この記事を読むことで、なぜ顎関節症の症状が治らないのか・どのようにすればいいのか、理解できるでしょう。
顎関節症の症状が治らず辛い思いをされている方は、ぜひ参考にしてみてください。
1.顎関節症が治らない場合に考えられる原因
顎関節症がなかなか治らない原因は、さまざま考えられます。
具体的には下記の6つです。
- 1.セルフケアで治そうとしている
- 2.医療機関を受診せず放置している
- 3.顎関節症が悪化する行動をしている
- 4.外科的な対応が必要な顎関節症である
- 5.難治性の顎関節症である
- 6.顎関節症治療が得意でない口腔外科に通っている
それぞれ解説します。
1-1.セルフケアで治そうとしている
セルフケアによる顎関節症の治療は効果的な場合もあります。
しかし、すべてのケースに適用されるわけではありません。
重度の症状をともなう場合、セルフケアのみでは十分な治療効果を得られないことがあります。
顎関節症の原因は個人差があり、症状もさまざまです。
セルフケアで改善できる症状もあれば、外科手術が必要な場合もあります。
また、症状が長期間続く場合は、セルフケアだけでなく医師の診断と治療が必要になることがあります。
セルフケアや誤った治療法をおこなうことで症状が悪化することもあるので注意が必要です。
セルフケアで症状が改善しない場合は、早めに医師に相談し適切な治療を受けましょう。
1-2.医療機関を受診せず放置している
顎関節症の治療をするために、医療機関を定期的に受診するようにといった指示をもらったにも関わらず、受診せず放置されている方が稀にいらっしゃいます。
顎関節症は放っておいても、症状がよくなるケースもある病気です。
しかし、その判断ができるのは医師です。
自己判断で放置していて治らないという場合は、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
1-3.顎関節症が悪化する行動をしている
顎関節症が悪化する行動をしている場合、治りにくくなることがあります。
たとえば、歯ぎしりや食いしばり・噛みしめる癖がある場合、顎関節に余分な負荷がかかり症状が悪化するケースも。
また、ストレスや緊張が原因となって顎を緊張させたり、不適切な姿勢で座っていると、顎関節に負荷がかかり症状が悪化することもあるのです。
他にも過度な口の開け方や、食べ物を噛む力が強い場合も顎関節に負荷がかかり、症状の悪化につながる場合もあります。
こうした行動が顎関節症の悪化につながるという事実は、知識がないと気付きにくいでしょう。
このような行動を続けることで顎関節症が悪化すると、治りにくくなってしまうことも。
症状を改善するためには、これらの行動を改善することに加え医療機関の受診が必要です。
1-4.外科的な対応が必要な顎関節症である
外科的な対応が必要な顎関節症は、治りにくい場合があります。
一つの理由としては、顎関節症には症状の原因が多様であるため、一つの治療法ですべての患者に効果があるわけではないからです。
外科的治療は、顎関節に直接的にアプローチするため、病変部位を切開したり、手術をおこなうこともあります。
しかし、手術による治療は症状が重い場合に限定され、手術後のリハビリも必要であり、治癒までに時間がかかるケースも少なくありません。
また、手術による治療は、手術が必要な部位を正確に把握しなければならず、手術の技術や経験の豊富な専門医が必要です。
そのため、治療法によっては、患者さんの症状がすぐに改善しない場合があります。
1-5.難治性の顎関節症である
難治性の顎関節症とは、一般的な治療法が効果を示さない、または再発が繰り返される、慢性的な状態のことを指します。
顎関節症のなかでも、この難治性の顎関節症であった場合には、難治性でない場合と比較しなかなか治りにくいと感じるでしょう。
難治性の顎関節症は、セルフケアで改善が見込めるケースはほとんどないため、医療機関の受診が必要です。
1-6.顎関節症治療が得意でない口腔外科に通っている
顎関節症の治療には、口腔外科医による診断と治療が必要です。
しかし、顎関節症は慢性化しやすく、治療が困難になることがあります。
特に、顎関節症治療が得意でない口腔外科医に通院している場合は、適切な治療法が提供されない可能性もあるのです。
口腔外科医は、歯の治療や口腔外科手術を得意としている場合があり、顎関節症に対する知識や経験が不十分な場合もあります。
顎関節症は症状によって原因が異なり治療法も異なるため、専門医の診断と治療が望ましいです。
顎関節症の症状が続く場合は、顎関節症に力を入れている専門医に相談することが重要です。
2.顎関節症はマウスピースをはめるだけでは治らない
顎関節症の治療では、マウスピースをはめて様子をみるといった指導をされるケースもよくあります。
ただ顎関節症は、顎関節や周囲の筋肉の機能障害によって引き起こされる症状です。
そのため、マウスピースをはめるだけでは症状を改善できない場合もあります。
マウスピースは、噛み合わせの調整やストレスを軽減することによって症状を改善する効果があります。
しかし、症状の原因が異なる場合には効果がないこともあるのです。
たとえば、顎関節症の原因が咬筋の過緊張によるものであれば、マウスピースは筋肉の緊張を和らげる効果があります。
しかし、顎関節症の原因が顎関節の変形や損傷によるものであれば、マウスピースでは解決できません。
また、ストレスによって引き起こされる症状であっても、マウスピースだけではストレスの解消にはつながらない場合があります。
さらに、マウスピースをはめるだけでは、症状を根本的に改善できない場合もあるのです。
顎関節症の治療には、マウスピースと併用してストレッチや筋力トレーニング、物理療法、栄養指導、心理療法など、症状の原因に合わせた総合的な治療が必要です。
また、症状が重度の場合には、手術も必要となる場合があります。
総合的な治療が必要であることから、マウスピースをはめるだけでは症状を完全に改善できない場合もあることと理解いただけるでしょう。
3.顎関節症が治らない場合の対処法
顎関節症がなかなか治らない際には、適切な医療機関を受診するようにしましょう。
すでに医療機関を受診している方は、別の医療機関への受診を検討すべきです。
それぞれ解説します。
3-1.医療機関を受診していない場合は口腔外科を受診
顎関節症が治らない場合、口腔外科を受診することが重要です。
理由としては、口腔外科医は顎関節症に関する専門知識を持っており、適切な治療法を提案できるためです。
口腔外科医は、マウスピースや物理療法だけでなく、外科的な治療もおこなえます。
また、口腔外科医は口腔内の異常な変化にも詳しいため、痛みや腫れなどの症状がある場合には、病気や炎症などを確認し適切な治療をおこなうことが可能です。
素人ではわからないことも口腔外科医による適切な判断・治療によって、顎関節症の症状を改善できるため、早めに受診するようにしましょう。
3-2.受診済みの方は別の口腔外科へセカンドオピニオン
顎関節症が治らない場合、セカンドオピニオンを求めることが重要です。
理由としては、まず異なる視点から診断や治療法を提案してもらえることが挙げられます。
また、顎関節症は症状によって原因が異なる場合もあり、診断が難しいこともあるため、複数の医師による診断を受けることで正確な診断が得られる可能性が高まります。
加えて治療法によっても効果が異なるのです。
たとえば、顎関節症ではマウスピースを使った治療法が一般的で、マウスピースをはめて様子を見るようにと指示されている方もいるでしょう。
しかし、最新の知見ではマウスピースをはめて様子を見るのは無意味・もしくは悪化するとも言われているのです。
この事実を知らない歯科医師は、いまだに90%以上いると言われています。
そのため、他の治療法を提案してくれる可能性がある口腔外科へ、セカンドオピニオンを受けることが重要なのです。
4.まとめ
顎関節症がなかなか治らない場合には、適切に口腔外科を受診し治療することが重要です。
医療機関を受診せず放置していて、症状が良くなっているならまだしも、悪化している場合には自己判断でセルフケアをするのではなく、早めに口腔外科を受診しましょう。
すでに口腔外科を受診していて治療を受けている方は、ご自身の顎関節症がどの程度重度のものなのか医師に説明を求めることで、治る期間の目安を把握できれば安心するかもしれません。
ただ、説明を求めても納得できる内容ではなかったり、マウスピースをはめて様子を見るだけだったりする場合には、他の口腔外科を受診してみたほうがいいでしょう。
理由は原因に基づいた治療ではない、根本的な治療ができていない可能性が高いためです。
久喜市にあるいしはた歯科クリニックでは、その場しのぎの対症療法ではなく、原因から治す顎関節症治療をおこなっています。
何が原因で顎関節症が発症したのか、原因に基づき正しい顎関節の使い方までレクチャーしておりますので、顎関節症がなかなか治らずお困りの方は、いしはた歯科クリニックへぜひお気軽にご相談ください。
さらに詳細については、当院ホームページ内の「顎関節症(がくかんせつしょう)」で解説しているので参考にしてみてください。
サイト内には顎関節の専門家である、いしはた院長に質問ができる質問コーナーも設置しています。
顎関節症でお悩みの場合は、ぜひ、いしはた歯科へご相談ください。
KAZUKI.ISHIHATA