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医療法人社団樹伸会 いしはた歯科クリニック

顎関節症とはどんな病気なのか?主な症状や種類も詳しく解説

公開日:2021/12/03

理事長 石幡 一樹
KAZUKI.ISHIHATA

「食事の時に口が開けにくい」「開けようとすると音が鳴る」といった経験はありませんか?

心当たりのある方は、顎関節症かもしれません。

顎関節症は、男女比では女性に多く、男性の約2倍、特に20代~30代の女性に多いことがわかっています。
日本顎咬合学会の調査によると、歯科医院を受診する患者さんの1割以上にこの病気が見られるとされています。

※顎関節症罹患率全国調査(調査研究2002年、発表2004年)(3/10)

この記事では、顎関節症の概要や症状、種類について紹介します。
具体的な症状や原因、治療法を正しく理解して、今より悪くならないための対策を取りましょう。

顎関節症とは

顎関節症とは、耳の少し前にある下顎を支える関節やその周りの筋肉などが、何らかの異常をきたし、症状として表れている状態を指します。

ここでは、顎関節症の症状や原因、種類について紹介します。

【顎関節症の症状】

顎関節症の主な症状としては、口を開けると音が鳴る、痛みを感じる、動かしにくいなどが挙げられます。
また、食いしばると耳のあたりが痛い、顎が外れるなども目安となります。

【顎関節症が原因の副症状】

顎関節症が原因の副症状には、首や肩、背中など全身におよぶ痛みやコリの他、頭痛やめまい、耳鳴り、目の疲れや鼻づまりなどが挙げられます。
まれに、呼吸困難、四肢のしびれ、嚥下(えんげ)困難などが起こる場合もあります。

顎関節症の原因

顎関節症の原因は、人によってさまざまです。

しかし、無意識な食いしばりやアンバランスな噛み癖、姿勢など、生活習慣や癖によって発症するケースが多いとされています。

無意識に歯を触れ合わせることを、歯科用語で歯列接触癖(TCH)といいます。
平常の安静時つまり、口を閉じてリラックスしている状態に見られる、上下の歯列間にある1~3㎜の隙間が無い状態を指しており、顎関節症の原因になりやすい動作です。

無意識という点で共通するものに、歯ぎしりがあります。起きている時に行われる歯列接触癖に対し、歯ぎしりは睡眠状態の時に行われます。
通常、人の噛む力は本人の体重程度と言われておりますが、歯ぎしりの場合だと人によって1トン以上の力になる場合もあるとされています。

その力が一瞬ではなく数秒間続くことを考えると、歯や顎関節、筋肉へ負担が相当なものであることはご理解いただけるかと思います。

また、食べ物を左右どちらかで噛み続けたり、長時間の猫背姿勢も、顎の関節や筋肉などに大きな負担をかけます。
ある調査によると顎関節症の原因の第一位は、片噛み癖であり64.8%の人がその癖を持っていたと言われています。
また当院にも顎関節症の患者様が来院されますが、80%以上の方が片噛み癖による顎関節症でした。
このような行動要因は、右利きの人を左利きに矯正するくらいの歯科医師と患者様の努力が必要です。

その他にも、ストレスや不安などの精神的要因や、事故や転倒による外傷が顎関節症の発症原因となることがあります。

顎関節症は原因を突き止めることが、改善への第一歩です。

『顎関節症の主な原因は?治療法や簡単にできるセルフケアのやり方も紹介』では、より詳しい原因の解説をしていますので、顎関節症の疑いがある方は、こちらにも目を通しておきましょう。

顎関節症の種類

顎関節症には、4つの種類があります。

この章では、それぞれの種類について詳しく紹介します。ご自分の症状と照らし合わせてみましょう。

【咀嚼筋痛障害】

咀嚼筋痛障害は、顎関節を動かす筋肉の炎症で起こるタイプです。

主な症状としては、開口時に痛む全く開けられないわけではないが痛みがある、などが挙げられます。
しかし、多くのケースでは、マッサージをすると痛みが治まります。

笑ったり、噛んだりするためには、側頭筋や咬筋といった顎周りの筋肉が働きます。
その部分に炎症があると痛みが発生すると、うまく動かすことができなくなります。

関節そのものではなく筋肉に問題があるため、筋肉をほぐして緊張をとってあげることで症状はおさまります

【顎関節痛障害】

顎関節痛障害は、顎関節の軟骨や靭帯、関節包などが痛むことで起こるタイプです。

開口時の痛みはあっても、全く開けられないわけではないという症状が咀嚼筋痛障害によく似ています。
咀嚼筋障害と異なるのは、無理に動かし続けてはいけないという点です。炎症が増し、関節の動く範囲が小さくなってしまいます。

マッサージによって痛みが悪化する場合もあるため、痛みが出ている間は顎への負担をできるだけ減らすことが重要です。
食事の際は、歯ごたえのあるものをできるだけ避けることをおすすめします。

【顎関節円板障害】

顎関節円板障害は、復位性と非復位性の2パターンに分けられますが、どちらも関節円板が本来の位置からずれてしまうという点は同じです。

主な症状としては、引っかかりがある、大きく開けようとすると痛いなどが挙げられます。
それに加えてカックンと音がするのを復位性、音はしないが元の位置に戻りにくい状態を非復位性と判断します。
経過観察になるケースが多い復位性に対し、非復位性の場合は、次に紹介する変形性顎関節症に進行する恐れがあります。

自己判断は悪化の原因となりますので、引っかかりを感じた場合は、必ず医療機関にて検査を受けてください

【変形性顎関節症】

変形性顎関節症は、関節円板がずれた状態が続くことで起こるタイプです。関節円板がずれて下顎頭とその上の下顎窩が直接当たる状態が続くと、いずれ変形が起こります。

主な症状としては、開口時の引っかかりや痛みザラザラとしたこすれる音がするなどが挙げられます。

ホルモン量が低下する中高年の方によく見られるタイプです。
長年顎関節症が続いた結果として引き起こされるケースもあります。

また、自己免疫疾患のひとつである関節リウマチを患っている場合に発症することもあります
顎関節だけではなく、他の部位も痛い時は関節リウマチの可能性が高くなります。
関節リウマチと顎関節症では、治療法が大きく異なりますので、必ず医療機関にて検査を受けましょう。

顎関節症の検査・診断

顎関節症の検査・診断は、まず患者様にどんな自覚症状があるのかを明確するところから始めます。
理由は、見た目で判断するのが難しく、症状によって治療方法が変わるからです。

顎関節や筋肉の痛み、口の開けにくさ、関節音の有無など、普段感じていることは全て伝えるようにしましょう。
症状がどのように始まり、どのように変化したという情報も大切な判断材料となります。

その後、顎関節や筋肉、口の中を診査し、必要に応じてエックス線撮影やCTを撮影します。
骨以外の関節構造や筋肉の問題についてはMRIを使って調べる場合もあります。

顎関節症は放置してはいけない

顎関節症は放置してはいけません。

理由は、症状が悪化し、治療期間が延びる原因となるからです。

顎関節症は、タイプによって治療法が異なります。
例えば、咀嚼筋痛障害であれば良しとされているマッサージであっても、顎関節痛障害では悪化する原因となります。

また、顎関節症の痛みだと思っていたら、親知らずが原因だったというケースも珍しくありません。

自己判断はトラブルや治療期間が伸びる原因となります。

放置はせずに、必ず一度は医療機関で検査を受けましょう。

実際に当院で受ける顎関節症治療について気になる方はぜひ、当サイト「顎関節症(がくかんせつしょう)」のページも確認しておきましょう。

原因から改善する顎関節症治療について紹介しています。

直接いしはた院長に質問ができる質問コーナーもご用意していますので、当院の顎関節症治療について知りたい方はぜひご利用ください。

日常生活に支障が出ている場合は受診がおすすめ

例え痛みがなくても、顎の引っかかりや耳の近くで鳴る音は、続けばそれだけ不快に感じるものです。
ストレスを感じると、人は無意識に歯を食いしばってしまいがちです。

睡眠時に起こる歯ぎしりも、ストレスや不安などが原因とされており、それらが起こると顎関節症はさらに悪化してしまいます。
つまり、悪循環が起こってしまうというわけです。

日常生活に支障が出ているようであれば、悪化しないうちに早めに受診することをおすすめします。

まとめ

一言で顎関節症といっても、タイプや対処法はさまざまで、発症原因も人によって異なります。
悪化すると最悪の場合、手術を行わなくてはいけないケースもあります。
日常生活で違和感を感じたら、早めに歯科医に相談するよう心掛けましょう。

また、普段の生活の中で、顎関節に負担がかかっていないかを意識することも、とても大切です。

顎関節に優しい生活を心がけ、ぜひ痛みや違和感のない快適な毎日をお過ごしください。

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