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医療法人社団樹伸会 いしはた歯科クリニック

あなたは大丈夫?顎関節症の人がやってはいけないこと

公開日:2021/12/03

理事長 石幡 一樹
KAZUKI.ISHIHATA

「顎に違和感があるし、わたし顎関節症かも・・・」
「悪化を止めることはできるのかな・・」

顎がカクカクする、といった顎関節症のような症状が出ているけれど、どのように対処していいかわからない方は多くいるようです。
顎関節症は軽度であれば、生活に支障はありません。

しかし、重度になると痛みがひどくなり、口が開かないほどになってしまいます。

そこで今回は、顎関節症患者さんや顎関節症の疑いがある方のために、顎関節症を悪化させる「やってはいけないこと」を習慣編と治療編に分けて、紹介していきます。
この記事を読むことで、顎関節症を悪化させないために避けるべき習慣とセルフ治療を知ることができます。

すでに顎関節症と診断された方や、顎に違和感がある方は必見です。

顎関節症でやってはいけないこと-習慣編-

顎関節症の患者さんや顎関節症の疑いがある方には、やってはいけない習慣があります。

なぜなら、気付かないうちに習慣になっている行為が顎関節症の原因になっていたり、顎関節症を悪化させてしまったりするからです。
さらに、ほとんどの顎関節症は口の周りの習慣によって発生している、とも言われています。

ここでは特に気をつけるべき習慣を4つお伝えしていきます

【片側で噛む癖】

片側で噛む癖は、顎関節症をもたらす大きな原因のため、注意しなくてはいけません。
長期的に片側で噛む癖を抱えることで、顎関節の動きに左右差が発生し、よく使われる方の顎関節は疲弊してしまうのです。

咀嚼は、呼吸・歩行・嚥下と同様に無意識的におこなわれる(自動化されている)行動なので、私たちはあまり意識を向けることがありません。
そのため、日常的に片側だけで咀嚼をしていても、なかなか自覚しづらいものです。

顎関節症にはさまざまな原因がありますが、片がみ癖はその中で最も影響が大きいと言われています。
実際に、当院に来院される患者さんの80%以上が、片がみ癖による顎関節症です。

少しでも顎関節症の疑いがある場合は、まず自分の噛み癖に意識を向けてみましょう。
片側で噛む癖があるなら、顎関節の動きを左右均等にするために、積極的に反対の顎も咀嚼に使うことが大切です。

【顎に負担のかかる姿勢】

顎関節症の方や顎関節症の疑いがある方は、顎に負担のかかる姿勢を避けるようにしましょう。

なぜなら、顎に負担がかかり続けると、顎関節にも圧力がかかり、痛みを感じるようになってしまうからです。

たとえば、頬づえをつくと、上下の歯が接触した状態で顎の下から力が継続的に加わるため、顎の緊張状態が続きます。
頻度や継続する時間によっては、歯並びにも影響が出てきてしまう可能性があります。

その他には、うつ伏せの姿勢やいつも同じ側を下にした姿勢で寝ることや、デスクワークで長時間下を向くことなどが無意識的に顎に負担をかけてしまいます。

また、楽器やスポーツなどの活動でも顎に負担がかかってしまうことがあります。
フルートやトロンボーン、バイオリンなどの楽器、そして野球やスキューバダイビングなどのスポーツは顎を引く姿勢を持続することになります。

継続的な顎を引く姿勢は、顎の動きに偏りをもたらしてしまうのです。

顎関節症の症状やその疑いが見られるときは、負荷の大きい運動による顎への影響に注意しましょう。

【TCH(歯列接触癖)】

TCHは、顎関節症と関わりが深い習慣の1つです。

なぜなら、TCHは「無意識的に、持続して上下の歯を接触させる癖」のことで、顎関節に過度な緊張状態と負担をもたらすからです。

「歯列の接触」というと、ほとんどの患者さんは、くいしばり・かみしめをイメージしますが、TCHは歯が上下の歯が接触するときにかかるg単位の力を指します。
くいしばるようなkg単位の力がかかる強い歯の接触は維持できないため、顎関節の緊張が起きるのは短時間です。

しかし、TCHのg単位の圧力がかかる状態は「持続ができてしまう」ため、顎関節の過緊張状態が長時間続いてしまいます。
TCHによって顎関節の緊張が続くと、顎関節は疲労し、痛みを感じやすくなってしまうのです。

対策としては、まず、自分にTCHがあるかどうかを判断し、意識的に改善していく必要があります。

TCHのチェック方法とコントールについてはTCH(歯列接触癖)で詳しく解説していますので、ぜひご覧になってみてください。

TCHは顎関節を疲労させて顎関節症をもたらすため、やってはいけないこととして知っておきましょう。

【歯ぎしり】

歯ぎしりも、顎関節症をもたらすため、やってはいけないことの1つで、改善する必要のある習慣です。
歯ぎしりは、上下の歯をこすり合わせるため、歯表面のエナメル質が削れるだけでなく、歯に大きな圧力がかかり続けます。

歯ぎしりによって歯に圧力がかかり続ける状態では、TCHと同様に、筋肉や顎関節への負担が増加します。
負担が増加すると顎関節が疲労し、痛みを感じるようになるのです。

歯ぎしりはストレスやカフェインなどとの関係が指摘されており、それらを根本から対策することで歯ぎしりが改善できる場合があります。

しかし、就寝中の歯ぎしりも多く、患者さんが意識するだけでは止めることが難しい場合もあります

そのため、歯ぎしりの癖に気づいたら、歯科医院で診察をしてもらうことも重要です。

顎関節症でやってはいけないこと-治療編-

顎関節症は、初期では生活に支障をきたすほどの症状がでなかったり、ネットに「自分で治す方法」といった情報があったりするために、自分で治そうとトライする患者さんがいらっしゃいます。

しかし、専門の医師に頼らず、患者さんが独力で治そうとした結果、間違った治療によりむしろ症状が悪化してしまう場合があります。

確かに患者さんがすべき意識がけなどはありますが、実際に顎に力をかけるような専門的な治療には、歯科医師の専門知識と技術が必要です。

ここでは、顎関節症の患者さんや顎関節症の疑いがある方がやってはいけない治療を取り上げていきます。

【長時間ガムを噛む】

長時間ガムを噛むことは、顎関節症を悪化させる可能性があります。

顎関節症の症状が出ている時には、すでに顎関節が疲弊しています。
ガムを長時間噛むと、顎関節にさらに負担をかけることになるため、症状の悪化につながってしまうのです。

たしかに、ガムは顎関節症の治療において、TCH(歯列接触癖)を改善するために用いられることがあります。

しかし、それは歯科医師の指導のもとでおこなわれなくてはいけません。

安易に、「顎関節症を改善するにはガムを噛めばいい」と考えて、ガムを長時間噛んでしまうと、症状の悪化という形で裏目に出てしまうことになるのです。

また、顎関節症の症状が見られるときは、ガムに限らず、硬い食べ物全般を避けるようにしましょう
例えば、硬い肉やフランスパン、スルメイカは、強くさらに何回も噛まなくてはいけないので、顎関節に負担がかかってしまいます。

【市販マウスピースの装着】

市販のマウスピースを装着することは、顎関節症の改善にならないだけでなく、歯並びにも悪影響をもたらす場合があります。

顎関節症の治療には「スプリント」と呼ばれる取り外し式のプラスチック製マウスピースを用いることがあります。
スプリントは患者さんの歯型に合わせてオーダーメイド作成され、装着することにより、上下の奥歯の接触を防ぎ、就寝中の歯ぎしりによる負担を分散させることができます。

顎関節症の患者さんの一部には、「マウスピースを装着すれば顎関節症を改善できる」と勘違いしてしまい、ネットから市販のマウスピースを購入して装着することがあるようです。

しかし、市販のマウスピースは患者さんごとの歯型に合っていないため、マウスピースと歯列の間に大きな隙間が生じ、力を分散させることができず、顎関節の負担を軽減することもできません。
さらに、歯列に対して小さいマウスピースをはめると、歯に過度な力が加わってしまい、異常のなかった歯並びが動いてしまう可能性があります。

顎関節症治療に用いるマウスピースは、専門の歯科医院によるオーダーメイドであるからこそ効果のあるものなのです。
顎関節症の患者さんや顎関節症の疑いがある方は、市販マウスピースの利用を避けるようにしましょう。

また、最近の知見では、顎関節症の治療を目的としてマウスピースを装着して様子を見ることはしてはいけないことになっています。

しかし、歯科医であっても、顎関節症についての知識がアップデートされておらず、適切な知識によらない無意味なマウスピース治療をしている場合があります。

市販のマウスピースを利用しないことに加えて、歯科医を受診する際には、当院のような顎関節症の専門とする医院にかかるようにしましょう

【医師の指示によらない顎のストレッチをする】

医師の指示によらない、いわゆる「自己流のストレッチ」は、顎関節症の患者さんがやってはいけないことの1つです。

なぜなら、自己流のストレッチでは、顎に負担をかけてしまう可能性があるからです。

インターネット上では、顎関節症を自力で治療することを目標とした顎のストレッチが多数見られます。

しかし、患者さんごとに顎関節症の症状や原因が異なり、ケースに合わせた治療が必要です。

特に、自己流の大きな開口運動や咀嚼運動には注意が必要です。
大きく口を開けるストレッチは、顎に多大な負担をかけることになります。

歯科医師による治療の一部で開口運動が取り入れられることがありますが、それは、医師が診察や経過観察によって原因の判定や治療方法の確定をおこなったうえでの判断です。

自己流ストレッチは、医師の指導によらないため、効果の見込みも不明で、症状の悪化を招く可能性があるので、避けるようにしましょう。

【整体だけに頼る】

顎関節症の治療において、整体だけに頼るのは正しい選択とは言えません。

その理由は、整体だけでは顎関節症の原因を取り除くことができないからです。
確かに顎関節症の発生には、姿勢が大きくかかわっており、整体で筋肉のコリをほぐすことで症状が改善したように感じられることがあります。

しかし、顎関節症治療で整体に行くことは対症療法であり、原因から根治するものではありません

原因から顎関節症を治療して再発を防ぐためには、歯科医師による専門的な治療と習慣改善の指導が必要です。

顎関節症の治療において、姿勢を矯正することは大切ですが、より直接的な原因をかかえる口腔を歯科医院で治療することは欠かせません

ここまでのまとめ

ここまで、顎関節症でやってはいけないことを紹介してきました。

上下の歯を持続的に接触させるTCH(歯列接触癖)や歯ぎしり、頬づえなどの顎に負担のかかる姿勢は、顎関節の過緊張につながるため、やってはいけない習慣といえます。

顎関節症は自力で治療しようとする、いわゆる「セルフ治療」によって逆に悪化してしまうこともあります。

ガムを噛んだり、マウスピースを装着したり、ストレッチをすることは、たしかに治療の過程に含まれることがあります。
しかし、それらは、診察と検査をした医師の指示のもとでおこなわれるからこそ効果の見込みがあります。

歯科医師の指示によらずに、患者さん自身の判断でおこなうと、痛みや違和感の増大といっら逆効果をもたらす可能性があるので、やってはいけない治療です。

また、整体だけに頼るのも避けるべき治療法です。

顎関節症の人がすべきこと

それでは、顎関節症が疑われる場合には、どうすればよいのでしょうか?

答えは、「歯科医院で診察を受ける」ことです。

顎関節症は、症状の度合いや原因によって治療方法が異なります。

自力で治療しようとすると、むしろ症状を悪化させてしまうこともあるため、治療方法は専門家である歯科医師が診察を通して決定する必要があります。

また、顎関節症を治療する際に気をつけるべきなのが、歯科医院の選択です。

顎関節症は有名な顎の疾患ですが、治療には適切な専門知識と技術が必要です。

当院では、顎関節症の治療にも力を入れており、その場しのぎでない、原因からの改善を目指す治療によって支持をいただいております
現在では、埼玉県全域にとどまらず、県外から通院されている患者さんもいます。

当院の顎関節症治療については、当サイトの「顎関節症(がくかんせつしょう)」解説ページでご覧いただけます。

サイト内には顎関節の専門家である、いしはた院長に質問ができる質問コーナーも設置しています。

顎関節症でお悩みの場合は、ぜひ、いしはた歯科へご相談ください。

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