部分入れ歯の種類や費用は?保険適用で目立たないものはある?
公開日:2022/12/21
「部分入れ歯の種類が多くて、どの入れ歯を選べば良いかわからない」
「部分入れ歯で保険が適用されて目立たないものはあるか」
部分入れ歯をすることになった際、このような疑問やお悩みを持たれている方が多いのではないでしょうか。
部分入れ歯には様々な種類があり、値段や特徴がそれぞれ異なるので、自分に合った部分入れ歯を選ぶためにも、まずはどのような種類があるのか理解を深めることが大事です。
この記事では、部分入れ歯の種類について保険適用と保険適用外の入れ歯、それぞれ特徴と費用相場を解説しています。
加えて部分入れ歯の選び方や、今お使いの部分入れ歯が合わない場合の対処法についても紹介しております。
この記事を読むことで、部分入れ歯を選ぶ際に参考となる情報を把握することができるでしょう。
どのような部分入れ歯を選ぶべきか迷われている方や、部分入れ歯の種類について理解を深めたい方は是非参考にしてみてください。
1.部分入れ歯の種類とそれぞれの費用相場
部分入れ歯の種類は、大きく保険適用の入れ歯と保険適用外の入れ歯に分けられます。
保険適用の入れ歯は、作り方と使える材料が指定されているため種類は多くありません。
一方、保険適用外の入れ歯は、作り方や材料の制限が無いため、いくつか種類があります。
具体的には下記の保険適用の部分入れ歯を除いた4つです(保険適用外の入れ歯は複数あるため、今回は4つピックアップして解説します)。
1.保険適用の部分入れ歯
2.コンフォート義歯(保険適用外)
3.金属床(きんぞくしょう)義歯(保険適用外)
4.ノンクラスプデンチャー(保険適用外)
5.コーヌス義歯(保険適用外)
それぞれ解説いたします。
※本記事でご紹介している費用相場は、正確には患者様によって異なるため、あくまでも目安としてご参考にしていただけたらと思います。
1-1.保険適用の部分入れ歯
保険適用で作られる部分入れ歯は、失った歯の代わりとなる部分(人工歯)と、歯茎(粘膜)の上に乗せる義歯床(ぎししょう)、部分入れ歯を支える為に他の歯に固定する留め具(クラスプ)で構成されています。
人工歯と義歯床の素材は、医療用のプラスチック(レジン)です。
留め具の素材は金属であるため、人によっては口を開けた時に部分入れ歯をしていることが目立つ・気になる可能性があります。
保険適用で作る部分入れ歯の費用相場は、3,000円〜15,000円前後です(3割負担の場合)。
失った歯の数によって部分入れ歯の大きさが変わるため、費用は最低金額から最高金額の目安まで幅があります。
保険適用で作られる部分入れ歯が、最も安価で作ることができる可能性が高い入れ歯です。※作り直しとなるケースは考慮していません。
1-2.コンフォート義歯(保険適用外)
コンフォート義歯は、保険適用外で作られる入れ歯の一つで部分入れ歯の歯茎(粘膜)にあたる部分にやわらかい生体用のシリコーン素材を使用し作製した入れ歯です。
歯茎にあたる部分がプラスチックで作られていると、食事をする際に痛みが生じて悩まれる方が少なくありません。
一方、このコンフォート義歯は歯茎にあたる部分がやわらかいシリコーン素材で作られているため、しっかり噛んでも痛みが出にくいといった利点があります。
他にもこのシリコーン素材から生み出される弾力によって、入れ歯が歯茎に吸着しやすくなっており、入れ歯が外れにくく違和感が出にくいという特徴もあります。
コンフォート義歯の費用相場は、10万円〜55万円前後です。
1-3.金属床(きんぞくしょう)義歯(保険適用外)
金属床義歯は、保険適用外で作られる入れ歯の一つで、歯茎(粘膜)の上に乗せる義歯床(ぎししょう)が金属で作られているのが大きな特徴です。
保険のプラスチックで部分入れ歯を作る場合、この義歯床はある程度厚みをもたせて作らないと部分入れ歯がすぐに壊れてしまいます。
しかし、この義歯床を金属にすることでプラスチックの入れ歯より約3分の1も薄く作ることができるのです。
部分入れ歯が厚くなると、それだけ違和感が増してしまいます。
金属床義歯は金属の強度から、保険適用の部分入れ歯より薄く作ることができるため、違和感が少なく、喋りにくさも軽減される利点があります。
金属床義歯の費用相場は、30万円〜60万円前後です(使われる金属の種類によっても異なります)。
1-4.ノンクラスプデンチャー(保険適用外)
ノンクラスプデンチャーは、保険適用外で作られる入れ歯の一つで、部分入れ歯を支える為に他の歯に固定する留め具(クラスプ)いわゆるバネが無い入れ歯です。
保険適用で作られるプラスチックの部分入れ歯では、他の歯に固定するバネが金属でできているので、口を開けた時に部分入れ歯をしていることが気になってしまう方が多いです。
一方、このノンクラスプデンチャーは金属のバネを使用せず、歯茎と同じ色の義歯床を広げて歯茎を覆うようにすることで安定させます。
そのため、部分入れ歯を使用していることが他の人からもわかりにくい状態にできるのです。
ノンクラスプデンチャーの費用相場は、10万円〜30万円前後です。
1-5.コーヌス義歯(保険適用外)
コーヌス義歯は、保険適用外で作られる入れ歯の一つで、茶筒の外れにくい仕組みを真似た二重構造の入れ歯です。
茶筒の蓋はなかなか外れにくいと感じたことがある方も多いはず。
コーヌス義歯ではこの茶筒と同じ原理で作られており、残っている健康な歯に金属の冠(内冠)をかぶせ、その上に入れ歯を装着します。
外れにくく安定しているので、入れ歯でもしっかり噛めるという利点があるのです。
コーヌス義歯の費用相場は、50万円〜80万円前後です。
部分入れ歯といっても保険適用されるものと保険適用外のもので費用や特徴が大きく異なります。
保険適用の入れ歯と保険適用外の入れ歯であれば、保険適用外の入れ歯のほうが自信を持っておすすめできます。
理由は自費で作る入れ歯のほうが、しっかり噛むことができ、見た目も良い入れ歯を作ることができるからです。
詳しくは当院HPにある「保険の入れ歯で本当に十分?選び方や自費が良い理由も解説」で解説しておりますので、気になる方は是非参考にしてみてください。
2.部分入れ歯の選び方
部分入れ歯はどのように考えて選んだら良いのか、よくわからないという方も多いでしょう。
おすすめの考え方としては、まず部分入れ歯に対するご自身の希望を明確にして、その希望に合った特徴を持っている入れ歯を選ぶことです。
部分入れ歯に対するよくある希望として、具体的には下記3つがあります。
1.目立たない入れ歯を希望する場合
2.柔らかい・痛くない入れ歯を希望する場合
3.値段が安い入れ歯を希望する場合
それぞれ、おすすめの入れ歯と共に考え方を解説いたします。
2-1.目立たない入れ歯を希望する場合
目立たない入れ歯を最重視する場合、自費診療で作る入れ歯がおすすめです。
理由はプラスチックと金属のバネで作られることが多い保険適用の部分入れ歯は、バネの部分が目立ちやすいためです。
具体的にどのような自費診療の入れ歯が良いかというと、コンフォート義歯やノンクラスプデンチャーが挙げられます。
上記入れ歯が最適かどうかは、患者さんの口内状況によって異なります。
目立ちにくい入れ歯をご希望の際は、その旨を歯科医師に伝えた上で希望する部分入れ歯の種類についても相談してみると良いでしょう。
2-2.柔らかい・痛くない入れ歯を希望する場合
柔らかい・痛くない入れ歯を希望される場合、保険適用の入れ歯でご満足いただけなかった場合は自費診療の入れ歯がおすすめです。
具体的には、コンフォート義歯は粘膜にあたる部分が柔らかい素材でできているので痛みを感じにくい可能性が高いです。
他にも入れ歯がズレたりせず、安定して使えるコーヌス義歯や金属床義歯も痛みを感じにくい傾向にあります。
2-3.値段が安い入れ歯を希望する場合
値段をとにかく最重視する場合、保険適用の入れ歯が一番費用を抑えられます。
ただし、保険適用の入れ歯は3〜4年で8割が作り直しになるというデータが東京医科歯科大学の義歯外来で出ています。
そのため、長期的な視点で考えると自費診療で作る入れ歯のほうが費用を抑えられるかもしれません。
費用が高くなる点は医療費控除の制度を利用すれば、改善できるケースもあるため医療費控除の制度を検討してみても良いかもしれません。
医療費控除については、当院HP「医療費控除」のページで解説しているので、気になる方はぜひご確認ください。
3.今使っている部分入れ歯が痛い・合わない場合の対処法
この記事をご覧になっている方の中には、現在部分入れ歯を使用していて痛みや違和感があり、お悩みの方もいらっしゃると思います。
まず前提として、入れ歯治療は作製が終わった段階で自分に最適な入れ歯が完成するというものではありません。
使い続けていく中で歯科医院で何度か調整してもらい、徐々に自分に合う入れ歯が完成するという治療です。
入れ歯を作ったばかりで痛い・合わないと感じている方は、一度歯科医師に相談をして調整してもらうことで、悩みが改善される可能性があります。
ある程度長い期間入れ歯が痛い・合わないという状況でお悩みの方に関しては、当院からは下記の対処法をご紹介したいと思います。
1.他の種類の入れ歯を検討する
2.入れ歯治療以外の選択肢を検討する
3.セカンドオピニオンを検討する
それぞれ具体的に解説いたします。
3-1.他の種類の部分入れ歯を検討する
保険適用の部分入れ歯で何度も調整したがお悩みを解決できないという場合、自費で作製できる部分入れ歯を検討するのも良いかもしれません。
理由としては、保険適用の部分入れ歯では作り方や材料が制限されてしまうため、患者さんのお口やお悩み解消に最適な部分入れ歯を作りにくいケースがあるからです。
自費診療の入れ歯であれば、お悩みを解決できる可能性が高いため、一度入れ歯治療に力を入れている歯科医師に相談してみることをおすすめします。
3-2.入れ歯治療以外の選択肢を検討する
そもそも入れ歯治療では、お悩みを解決することが難しいケースもあります。
その場合は、入れ歯治療以外の選択肢を検討してみても良いかもしれません。
具体的には、インプラント治療・ブリッジ治療が挙げられます。
それぞれの治療については、当院HPの「奥歯を抜歯したら入れ歯が最適?ブリッジやインプラントは?選択肢を解説」でも解説しておりますので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。
3-3. セカンドオピニオンを検討する
今通われている歯科医院は、必ずしも入れ歯治療を得意とされている歯科医師が在籍しているとは限りません。
歯科医療は入れ歯治療だけでなく、矯正歯科治療、インプラント治療など幅広く、歯科医師によって得意な治療は異なります。
そのため、今の歯科医院で受けている治療が最適か確認するためにも、入れ歯治療を得意としている歯科医院でセカンドオピニオンを受けることもおすすめです。
当院では、入れ歯治療をご希望の患者様には保険適用の入れ歯を作り、それでご満足いただけるようであれば、無理に自費の入れ歯をおすすめするようなことはしていません。
保険適用の入れ歯でご満足いただけない場合は、自費の入れ歯やインプラント治療をおすすめすることがあります。
詳しくは当院HPにある「保険の入れ歯でも噛めます」で解説しておりますので、気になる方は是非参考にしてみてください。
4.まとめ
部分入れ歯には様々な種類があります。
自分に合った部分入れ歯を選ぶ為にも、それぞれの入れ歯の特徴・費用を把握し、ご自身の希望を明確にして、最適な入れ歯を選べるようにしましょう。
最適な入れ歯を選ぶためには、専門家である歯科医師の意見を取り入れることも大切です。
一言で歯科医師と言っても、一人一人得意分野は異なる為、入れ歯治療に力を入れている歯科医師に相談することをおすすめします。
当院では、入れ歯治療に力を入れて取り組んでおり、自費診療で作る入れ歯は全て院長が作成を担当しています。
「様々な部分入れ歯の中から、自分に最適な種類を選びたい」
「部分入れ歯が合わず悩んでいる」
このようなお悩み・ご要望がある方は、いしはた歯科クリニックへご相談ください。
KAZUKI.ISHIHATA